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外壁が『搔き落し』の場合の塗装に関する注意点【大阪府枚方市】
外壁が『搔き落し』の場合の塗装に関する注意点をご紹介します。
時々古い家で、外壁が『搔き落し』のお客様からの、お問い合せや見積依頼があります。
その度に、相見積の塗装業者の『下地処理』の曖昧さを感じています。
そんな中、つい先日も「外壁塗装・・・」等で検索したら上位に来るような業者で、何とも曖昧な認識の業者が結構存在する事を知りました。
なのでこの際、お客様の為に、ごくシンプルな話ですが、間違いのない下地処理の考え方をご紹介します。
①搔き落しの壁への高圧水洗を行うべきか。
あまりお薦め出来ません。
劣化具合により程度がまちまちですが、一般的な他の外壁面より非常に含水率が高くなります。
北壁で万年日が当たらずに苔が生えているような壁は、中・低圧水洗にてブラシを併用して、必要以上に含水させないような洗浄が良いです。
あまりにもポロポロ落ちる場合は、程度をわきまえたケレン及び、中・低圧水洗が必要です。
ポイントは水洗を余儀なくする場合は、その後に十分な乾燥時間を空ける事で、その時間は方位・立地条件により異なります。
もう一つのポイントは『必ず高圧水洗をしないと手抜き工事』と思っているお客様に対するご理解を得る事かも知れません。
屋根の場合は、外壁に比べて紫外線・風雨にさらされてかなり過酷な状況下にあります。
屋根材の種類に応じて『高・中・低圧水洗』あるいは足場がなくて周囲に飛散防止の養生が出来ない場合は、
『ホース片手に、デッキブラシ・研磨材にて水洗い』など、水洗の必要があります。
時には『旧塗膜全面剥離』のケースも少なくありません。
なぜなら、数年前に塗装した膜が密着不良で撤去せざるを得ない状況になることが、外壁に比べて屋根のほうが圧倒的に多いという事です。
外壁の場合、旧塗膜のチョーキングを出来るだけ少なくする事、壁面の凹凸に入った埃汚れを落とす事により、下塗り材の効果を十分発揮させる目的のために水洗いをします。
なので素地調整は絶対必要なのですが、その方法としては、高圧水洗オンリーワンではありません。
② 搔き落しの壁に最初に塗るべき塗料は何か。
『フィラー』でも『サーフェーサー』でもありません。
『シーラー』です。
結果的には『フィラー』でも問題ない場合もあるでしょう。
しかし、結果は10年後に剥離しなかった場合に初めて判るものです。
・・・ある意味『賭け』のようなものです。
私は安全を優先して、先ず脆い下地をガッチリ固めるために『エポキシシーラー』又は『カチオンシーラー』を一番最初に下塗りします。
その次に、目止めとして『アンダーフィラー』や『微弾性サーフェーサー』を仕上げ塗材の種類に応じて使い分けて中塗りとします。
『複層高弾性仕上げ』の場合は、上記の段階はまだ下塗り2回目の位置づけとなります。
ポイントは「虚弱な下地を固める目的」と、「巣穴を埋める目的」を分けると言う事です。
私の受ける印象では基礎的なスキルが不足している塗装業者が沢山存在しています。
高圧水洗に拘り、そのくせ乾燥時間に拘りなく、シーラーを塗らずして、いきなり目止め塗料を塗ろうとするような認識は間違いです。
各種下地処理方法の正しい知識は大切です。