大阪府枚方市でモニエル瓦の シーリング 固定補強
大阪府枚方市でモニエル瓦の シーリング 固定補強について紹介します。
01モニエル瓦のシーリング固定補強
① 現場の概要
本来ならば足場を組んで 安全な状態で作業をするのが理想なのですが、台風前の緊急対応という事で足場を掛けずにスライダー梯子で昇り降りする事になりました。
なので、梯子が滑って倒れないようにロープでしっかりと固定しました。
このお宅の屋根はモニエル瓦の寄棟で、最上部が丸瓦でした。
全体を見渡したところ、乾式コンクリート ( モニエル瓦 ) のスラリー層がほとんど劣化していて 素地の多くが露出しています。
本来ならば早く塗り替えて、コンクリート素地をがっちりガードしたい思いです。
もしも この屋根を塗装をする場合だったら、私としては「血沸き肉躍る!」絶好の腕の見せ所なのに・・・と思いながらも、この度は、塗装でモニエル瓦を甦らせる目的ではなく、台風や雨風と言った災害から建物を守る為の、最も大切な処理をする為に伺いました。
② 施工内容
先ず、瓦のズレを点検し、ズレたり傾いている瓦の締直しから始めました。
丸瓦の連結なので 回りやすく結構連続的に傾いていて、以前の台風で影響を与えた風の方向まで予想できる状態でした。
次に、モニエル丸瓦を留めている銅線が 所々で緩んでいたので締め直しました。
幸いにも銅線が切れているものは無かったけれど、私が締める事で切れてしまうのも嫌なので、切れない程度にゆるく締めて・・・私にできる事として、1枚の瓦に2つずつ空いている銅線の穴にシーリング材を充填しました。
次に、シーリングをしようとする部分の密着性を高めるために、モニエル瓦特有の 劣化して脆弱になったスラリー層を不織布研磨材でケレンし、粉になった埃を掃除します。
きれいになった素地に、シーリング材の密着性をより確実にするための専用プライマーを塗布します。
この度使用するシーリング材は 高モジュラスの変成シリコンです。
瓦専用シーリング材もあるにはあるのですが、容器に明示している成分を確認すると
「シリコンシーラント」と書いてあったので使用するのを止めました。
・・・なぜか?・・・
③ シーリング材の選択
シーリング材 ( コーキング材とも言う ) と一言で言っても その種類は数種類あります。
それぞれに特徴があって、用途によって使い分ける必要があるのですが、特に厄介なのは シリコンシーラントを使用した部分には 塗料が密着しない性質があります。
なので、今後塗装をする可能性がある部分には「シリコンシーラント」は絶対に避けるべきです。
その次に検討すべき点は、塗料との「密着性」と「露出耐候性」です。
ウレタンシーリング材は塗料との密着性は良好なので、塗装前のシーリング材としては最もポピュラーなシーリング材なのですが、欠点としては露出耐候性に劣るということです。
この度の施工も、直後に塗装をするのであればウレタンシーリング材で全く問題はないのですが、この先いつ頃に塗装のご用命があるのか判らないので、露出期間が長くなることも想定して、塗料との密着性・露出耐候性を考慮した結果、変成シリコンシーリング材が良いと判断しました。
次に、「低モジュラス」か「高モジュラス」かの選択については、例えば、外壁材がサイディングや ALC などの場合、その外壁目地シーリングの際に 躯体の動きを想定して柔軟性に富んだ低モジュラスシーリング材を選択するのが一般的なのですが、瓦の固定となると 動きを想定して柔軟性を重視と言うよりも、樹脂モルタル や エポキシボンドほどは固くはない程度の柔軟性が必要であるという事で、高モジュラスの変成シリコンを使用しました。
④ まとめ
屋根全体でシーリング固定補強を施した箇所は、モニエル丸瓦の連結重なり部分 約130ヶ所でした。
材料使用目標値 : 丸瓦断面0.3m × 連結部130ヶ所 × 所要量100㏄/m = 3900㏄
という事で、しっかり充填するための数値を計算して、カートリッジが一本320㏄なので、3900cc ÷ 320cc =12.2本 必要となります。
そんな中、もしも足らなかったときに買いに行くのも面倒くさいので、グレー色を15本用意しました。
1m当たりの所要量を100㏄・・・10×10(トウのトウ) を意識して充填した結果、13本使用しました。
一部、丸瓦の下の瓦も固定したので、予定通りの充填量でした。
施工した私の自己満足と共に、安心して事を終えました。
02外壁クラックシーリング サービス補修
最後になりましたが、下屋部分の外壁に大きなクラックが数本 、堂々と目立っていたので 見て見ぬふりはできず、近くのホームセンターまで外壁クラック補修用に 変成シリコンシーリング材のアイボリー色を1本買いに行きました。
近くでじっくり見ると、大きく目立ったひび割れ以外にもヘアークラックと呼ばれる細いひび割れが何本もありました。
1階の下屋根から2階の外壁上部まで背伸びをすれば殆んど届いたので、時間があったので「気は心」と言うことで全て点検の上、シーリングを充填をしました。
買ってきたシーリング材はほとんど使い果たして、「よくやった!」と言う満足感をもって終えました。
実は、この度のお客様邸の屋根・外壁塗装の見積りは 既に提出しているのですが、色々と訳アリのご様子なので 直ぐには工事にかかれないとの事でした。
なので、先ずは災害に備えての応急処置ということで必要最小限の作業をさせていただきました。
高所での一人作業・・・固定していたスライダー梯子を下して、無事に終了したことが何よりでした。