大阪府富田林市昭和製線(株)様の工場 外壁・屋根 改修塗装工事の施工事例
大阪府富田林市昭和製線(株)様の工場 外壁・屋根 改修塗装工事の施工事例について紹介します。
01施工前の状況
外壁の現状
外壁はALCパネルの横張で 既存塗膜は吹付スキンでした。
長年の雨水の水路(みずみち)と思われる部分の塗膜がなくなり 部分的に抉れた箇所が有りました。
屋根の現状
屋根は塩ビコーティングの折板でした。
こちらも経年劣化が著しく、塩ビコーティングが摩耗して 鋼板下地が露出して錆びている箇所が点在していました。
工場を新築してから大規模改修塗装工事をされるのは今回が初めてだそうです。
工場内には工場棟と事務所棟の2棟あり、その間に渡り廊下が2か所あります。
施工は 1.工場棟屋根 2.工場棟外壁 3.事務所棟屋根 4.事務所棟外壁 5.渡り廊下・付帯部 の順番に施しました。
大阪府富田林市の方が 地元近辺の業者に依頼するのではなく、運搬諸経費が余分にかかるのを承知で 京都府八幡市の弊社にご依頼を頂いたからには、ご期待に沿えるよう精一杯の「気は心」をもって施工させてもらおうと思いました。
02屋根塗装
高圧水洗
まず初めにスパイラルノズルを付けての高圧水洗で、埃や脆弱部を掃除しました。
外周足場には当然メッシュシートを張っているのですが、水洗時には汚水飛散防止の為に足場とメッシュシートの間にブルーシートを挟んでいます。
そして風向き等を考慮して更に徹底した汚水飛散防止シート養生をしました。
下塗り
冒頭にも述べた通り、塩ビ鋼板折板屋根は部分的に腐食があり、塩ビコーティングが風化・摩耗して素地鋼板が錆びている箇所が点在している状態でした。
当初は、塩ビに含有する可塑剤の移行防止を念頭にエスケー化研の「ビニタイトプライマー」と言う塩ビ鋼板専用プライマーを下塗りする予定でしたが、ビニタイトプライマーは防錆効果が期待できないので、塩ビの可塑剤を抑制しながら防錆効果が抜群の溶剤型2液性エポキシ、関西ペイントの「エスコ」を下塗りする事にしました。
又、お施主様は本工事期間中に弊社とは別に、屋根専門業者に依頼して腐食が著しい一部の折板屋根をガルバリウム鋼板にて葺き替えをされました。
本来なら新設のガルバリウム鋼板部分は新品なので塗装の必要がないのですが、色を統一するために敢えて塗装するということなので、その下塗としては「エスコ」ではなくメッキ鋼板への密着性に優れている関西ペイントの「エポマリンGX」を下塗りしました。
ボルトキャップ
次にボルトキャップの中にコーキング材を詰めてフックボルトに叩き込んで装着しました。
ここで注意すべき点は、コーキング材が充填していないボルトキャップを被せても防水処理としては不十分だということです。ハンマーで叩き込んだ時、少しコーキング材がはみ出るくらいがベストです。
上塗り2回
そして、上塗りは関西ペイントの遮熱塗料「アレスクール1液Siホワイト」を使用しました。
写真は2本指で2回目塗りを指しています。
錆止めと合わせて2回目ということで、紛らわしいのですが 上の写真は上塗り1回目となります。
遮熱塗料と一言で言っても黒い色ほど遮熱性が低く、白い色ほど遮熱性が高くなります。
ですので、一番遮熱性を発揮するホワイトをたっぷりと2回塗りしました。
↓ 上塗り2回目終了
遮熱検証
➡ ➡ ➡
弊社のサーモカメラで撮ったものです。
高圧水洗終了後に、左の写真はノーマルで撮影したもので、右の写真がサーモ機能オンで同じ位置で撮影したものです。
2枚の写真それぞれ 画面右が無塗装状態・画面中央が白色錆止めの状態・画面左が遮熱塗料ホワイト1回塗りの状態です。
かなりの遮熱効果がある事が判ります。
触ってみると、赤い部分は触り続けることが出来ないほど熱いのに対して、青い部分は体温より低いせいで冷やりとしていました。
本塗りでは更に上塗りを塗り重ねて膜厚をつけて長期間遮熱効果を保つようにします(^ω^)・・・
エポキシ下塗0.2kg/㎡+遮熱シリコン2回塗0.3㎏/㎡で 約0.5㎏/㎡の塗布量です。
03外壁塗装
素地調整 & シーリング
冒頭にも述べた通り、外壁はALCパネルの横張で 既存塗膜は吹付スキンでした。
← 先ずは高圧水洗にて外壁に染み付いた汚れを除去します。
次にALC目地にウレタンシーリングを充填します。↓
シーリング材は2液性ノンブリードウレタンのコニシ「ビューシール」を使用しました。
使用料は80cc/m程になりました。
シーリング工程を省いて塗装をしている物件を時々見かけますが、外見は綺麗でも防水効果は期待できません。 ALC目地シーリングは地味ですが大変重要な工程です。
↓長年の雨水の水路(みずみち)と思われる部分の塗膜がなくなり 部分的に抉れた箇所が有りました。
脆弱な素地に ①カチオンシーラーを下塗り➡②薄付け用カチオンフィラーを刷毛塗り➡③カチオンモルタルを鏝扱き をしました。↑
また、所々に欠落部も点在していました。
そういった箇所は全て、カチオン樹脂モルタルとウレタンシーリング材にて不陸調整及び欠落補修を施しました。↓
下塗り
↑ 本来予定している下塗り材は微弾性サフェーサーでしたが、外壁既存塗膜の一部が脆弱な状態だったので素地を固めるために、この際全面にサフェーサを塗る前にカチオンシーラーを下塗りしました。
予想以上に吸い込みが多く「喉が渇いた壁」のようにグイグイ飲んでいるようでした(^ω^)・・・。
←そして、全面の下地をガッチリ固めた上で 微弾性サフェーサーを下塗りしました。
エスケー化研の「ソフトサーフSG」です。 私の知る限りでは25年以上前からのロングセラー商品で、信頼度の高い費用対効果の良い塗料です。
これをたっぷり1.0㎏/㎡を目安に下塗りしました。
シーラーをたっぷり下塗したおかげでサフェーサをマスチックローラーで塗った時のパターンが生き生きとしていました。
指2本でシーラー下塗と合わせて2回目塗りのサインです。
上塗り
上塗りはエスケー化研の「プレミアムシリコン」
従来の1液水性シリコンと比較して、超耐候性・低汚染を謳っている費用対効果の良い塗料です。
これを 0.15kg/㎡
を目安に2回塗りしました。
下塗からの流れで、指3本で上塗り1回目・指4本で上塗り2回目です。
・ALC目地にシーリング材を充填
・脆弱だった躯体表面をカチオン樹脂モルタル等で補修
・シーラーを含めて合計4回塗りで約1.5kg/㎡の塗膜を塗布
見事に蘇りました(^ω^)・・・
04付帯塗装・諸工務
付帯塗装
渡り廊下2か所とポンプ室の屋根があり、工場棟・事務所棟屋根同様に「エスコ」を下塗り・「アレスクール1液Siホワイト」を2回塗りしました。
シャッターは大小8か所あり、一日完結の乾燥時間も考慮して、関西ペイントの1液エポキシ錆止め「ザウルスEXⅡ」を下塗り・エスケー化研の「プレミアムNADシリコン」を上塗りしました。
「プレミアムNADシリコン」は弱溶剤形の1液シリコンです。
水性の「プレミアムシリコン」同様 耐候性の良い塗料で、鉄部にはよく使用しています。
工場棟・事務所棟共に建物外周に力強いH鋼の梁・柱があります。
その他、渡り廊下の鉄骨・事務所棟裏の付帯鉄部や鋼板波板など、鉄部は全て「エスコ」&「ザウルスEXⅡ」の下塗りを1回~2回塗りをして「プレミアムNADシリコン」を上塗りしました。
工場棟・事務所棟共に基礎塗装は、水洗い・クラックシール・欠落補修・カチオンシーラー下塗・エコファイン(低汚染アクリルエマルション)上塗りをしました。
その前に雑草刈りもしました。
諸工務
外壁と屋根の取合い部分の水切りが密着している事で常時雨水の影響を受けて、表面張力により水切りの裏まで水が回って腐食を進行させていると推測できる箇所が工場棟で見られました。
隙間を開けるためアルミ複合版を適寸に切った板を50枚ほど用意して、隙間のない部分に差し込んで、鋼板にヒットネイルで固定しました。
←渡り廊下の幅の割りには下梁の間隔が広い為、折版上部からの荷重がかかった際にできた中央の凹みを元に戻すために鉄骨梁の中央に角パイプの小梁を設置しました。
外壁から出ている煙突が4本あります。
煙突を支持している壁付金物や、屋根上の振れワイヤーなどの腐食部撤去及び補強等、足場がなければ出来ない補強作業を施しました。
05最後に
片道1時間ちょっとの道のりをジャンケンで負けたら運転手というルールの中、私はいざとなればジャンケンが強いので往復通算5~6回しか運転していないように思いますが、キャラバンの後部座席は乗り心地が悪いので、運転しているほうがマシだったかもしれません(^ω^)・・・。
仕事に通い続けて感じたことは、社長をはじめ、工事担当窓口をしてくださった黒田さん、事務所の皆さん、工場の皆さん、全ての人が上から目線ではなく、好意的に接していただいた事です。
本当に気持ちよく仕事をさせてもらいました。
良好な人間関係は本当に大切な事で「仕事をする側」「仕事を依頼する側」双方で良い結果が出る事と改めて感じさせていただきました。
今年は例年より梅雨入りが早かった事、加えて見積り以外の工程を施工した事もあり工期が予定より少し長引きました。
焦らず最後まで良い仕事を心掛けた事で、な・な・なんと「感謝状」をいただきました(^ω^)。
お世話になりました。
そして、ありがとうございました。