図面から面積や数量を
正確に積算する
弊社では、建坪によるパック料金は設定しておりません。
なぜなら建坪が同じ建物でも、それぞれ屋根や外壁の面積は異なり、材質や立地条件によって劣化状況も異なるからです。
確かにパック料金を設定した方が建物の採寸を簡略化でき、売り手の手間は省けます。ですが正確な面積や数量が把握できていないということは、どれだけの塗料を用意したら良いか分からず、用意した塗料だけで足りない場合は、最悪、塗料を薄めて誤魔化してしまう可能性もあります。
弊社では現地調査の際、建物の図面をコピーさせていただき(図面がなければ手書きの立面図を作成)、目地や雨樋など図面に表示されていない事項を書き加えて面積や数量を正確に積算します。
そしてそれぞれの材質を把握し、劣化状況を観察して問題点が何かを調査し、対処方法を検討します。
面積や数量、問題点を正確に把握することで、工事に必要な材料費や人件費を算出することができます。
このようにケースバイケースの要素が多いことから、塗装工事の場合は旅行パックやコース料理のような一律料金で販売することは適していないと考えています。
明瞭な塗装仕様・
見積書の提案
現地調査の内容をもとに、お客様がどういった事を求められているのかを理解した上で、それに適した塗装仕様を提案します。
塗料の種類やグレードは様々で、例えば「10年サイクルで塗装したいが予算はできるだけ抑えたい」という場合には、シリコン樹脂塗料がそれに該当しますし、「良い塗料を使ってできるだけ塗り替えサイクルを延ばしたい」という場合には、無機塗料やフッ素樹脂塗料が該当しますし、「夏場になると室内が暑くなるのでなんとかしたい」という場合には、遮熱塗料が該当します。
塗装する材質によっても仕様は変わり、例えば、「窯業系サイディング外壁材」には蓄熱による塗膜の膨れを考慮した塗料を選択する必要がありますし、塗装困難な「難付着性の外壁材」には、専用の下塗り材を選択する必要があります。
また、屋根や外壁以外の付帯部分(雨樋‧雨戶‧水切りなど)も経年劣化は起こります。
付帯部分の劣化状況も調査し、塗装の必要性があるかどうかを判断します。
このように塗装する条件が変われば塗料や施工方法も当然変わります。
塗装業者の中には、仕様や数量のわからない「一式価格」で見積書を出す業者もあり、弊社の基準と比較した場合、外壁塗装の単価が高い割には付帯塗装に関しては人件費も出ないほど安いことがあります。
弊社の見積書は付帯部分もすべて数量‧仕様‧塗り回数を明記し、バランスよく丁寧に塗装するための根拠を記載しています。
工事着工前の
近隣あいさつ
弊社は塗装工事の日程が決まり、工事着工前には必ずご近所様一軒一軒にあいさつをして回ります。
工事期間中は、どうしても騒音や工事車両の出入りなどで近隣の方に多少のご迷惑をおかけしてしまいます。
そんな中、あいさつもなしにいきなり工事を始めてしまうと、当然不快な思いをさせてしまい、クレームの対象となってしまいます。
塗装工事の1週間〜10日前あたりを目安に、あいさつが必要なところに対して「どういった工事をするのか」をお伝えして回ります。
小さなことですが、こういった配慮も忘れずにしておくことで、その後の塗装工事がスムーズに進められます。
日常に近い形で
生活してもらえる工夫
工事期間中は、仮設足場が掛かっていることが大半です。
また、塗装作業が始まると、玄関ドアや窓は塗料が付着しないようビニールで養生している期間が出てきます。
これらは塗装工事をする際には避けては通れない工程で、お客様にはどうしてもご不便をおかけしてしまいます。
弊社は、そういった「不便をできるだけ解消するための工夫」を意識して工事に臨んでいます。
例えば、仮設足場を設置する際、ガレージに車を止めておけるだけの駐車スペースを確保できる場合は、多少足場の作業スペースが狭くなっても駐車スペース確保を優先して足場設置をするよう心がけています。
また、玄関ドアは開閉しやすいよう意識した養生をし、お客様から「換気するのに窓を開けたい」というご要望があれば、必要に応じて窓を開閉できるよう工夫した養生を施します。工事期間中もお客様が生活するのにできるだけストレスのない状態を作る努力をしています。
周囲への
気配り
工事期間中は、常に周囲へ気を配り、安全に作業を進めるために配慮した行動を心がけています。
例えば、塗装工事の工程では、漏水などが無ければ高圧洗浄機で水洗いをします。
その際、仮設足場の周囲にメッシュシートを張って施工するのが一般的なのですが、それだけでは汚水飛散防止という点では不十分な場合があります。
特に屋根の高圧水洗では屋根に向けて下向きに噴水するので、水が跳ね返って水平方向に汚水が飛散します。
ということは、メッシュシートに汚水が直撃し、網目の隙間から漏れ出た汚水が近隣に飛散して風下にある洗濯物や駐車している車、近隣のお家などを汚してしまうかもしれません。「風に流されていくものはしょうがない」となんの工夫もしない業者も存在します。
むしろ多くの業者は、それが当たり前だと思っているかもしれません。
弊社は、「できる工夫と努力はするべき」と考えているので、高圧水洗の際には、仮設足場周囲に汚水飛散防止シートを張り、近隣への迷惑を最小限に留める努力をしています。
このような高圧水洗時の汚水飛散防止対策以外にも、施主様やご近所様に対して、あるいは天候‧風向き‧悪臭‧騒音など、工事期間中だからこそ起こり得る、すべての事に対して敏感に配慮することが大切だと思っています。
適切な
下地処理
下地調整とは、塗装する部分の不具合を改善して塗装作業が正常に行えるように下地を整える作業を言います。
弊社が請け負う住宅塗装は、すべてJIS規格で定められた「耐候型1種」に該当する高耐候性塗料を使用しています。
しかし、耐候性の高い塗料で塗装することだけが良い塗装だとは思っていません。
いくら多機能で高性能な塗料でも、下地調整を曖昧にすれば、塗膜の膨れや剥離、早期のひび割れ再発につながります。
塗装前に下地調整をしなければならない内容として、まずは「ほこりやコケ、チョーキング(塗膜劣化による白い粉)の除去」が挙げられます。
これに対しては高圧水洗が最も効率よく除去できる方法です。
「塗料の捲れや塗膜の浮き、サビの除去」に対しては、金ヘラやワイヤーブラシなどの研磨道具でケレン作業を施しますが、手作業だけによる剥離や研磨では不十分だと判断した場合は、ディスクサンダーで徹底的に機械研磨をしています。
また「クラック補修」は、クラック(ひび割れ)の幅の広さによって補修の方法も変わり、クラック幅が広ければ、Vカット工法といってディスクサンダーでVの字型に溝を作り、シーリング材をたっぷりと注入する場合もあります。
他にも躯体自体が経年劣化で脆弱になり、外壁が部分的に欠け落ちた場合には、パテやモルタルを用いて凹部を平滑になるよう不陸調整し、強度のある下地を形成するといった「欠落部分の補修」を施さなければなりません。
このように「見えなくなる下地に耐力を持たせる」ための下地調整が最も重要なことだと考えています。
塗料の希釈率や塗り回数・
乾燥時間を守る
一般的に、屋根でも外壁でも「下塗り‧上塗り1回目‧上塗り2回目」の合計3回塗りというのが基本にあります。
上塗りをなぜ2回塗る必要があるのかというと、塗膜に厚みをだして、より耐久性を高めた外壁にするためです。
また、上塗りを2回塗ることで全体にムラなく均一な塗膜が付き、紫外線や雨風に耐える耐候性も向上します。
上塗りを1回塗っただけでは、どれだけたっぷり塗ったとしても十分な塗膜は付きませんし、そうなると塗料本来の持つ性能が十分発揮されません。
しかし、ただやみくもに3回塗りすれば良いということではなくて、塗料にはそれぞれ塗料メーカーが定めた「施工仕様」があります。
弊社では、秤を使って塗料の希釈率を正確に調合し、塗料を既定の膜厚で塗布するよう均一に塗り、適正な塗装間隔時間を空け、その塗料の持つ性能を最大限引き出せるよう心がけ、10年経っても良好な状態を保つよう丁寧に塗装しています。
日々片付けをして
帰る
塗装道具は、刷毛やローラー、養生テープといった細かい道具から、塗料やその他副資材などの材料があり、それらを限られた場所で管理する必要があります。
塗装業者の中には、その日の作業が終わると、ろくに片付けもせずに足場の上に置きっぱなしにしてそのまま現場から帰る業者もあり、道具がむき出しで放置されているのを何度か目撃しました。
弊社では、作業終了後は作業スペースを整理し、現場に置いていても大丈夫なものに限り、シートをかけてひとまとめにしておきます。
発火性のあるシンナー類やカッターナイフなど現場に置いたままだと危ないものは毎回持ち帰るようにしています。
また、その日に出たゴミくずなどは、できる限り掃除をしてきれいな状態にしてから帰るよう心がけています。
作業内容の報告とブログの
定期更新
弊社では、その日の現場作業が終わり、帰る際に、「本日はどういった作業をしたのか」「次の作業は何か」をお客様にお伝えするようにしています。
その日の進捗状況をお客様にお伝えすることで、「京大塗装工芸なら安心して仕事を任せられる」と感じていただきたいからです。
また、工事期間中は定期的に工事ブログを更新しています。
ブログを見ていただけると、より具体的な工事内容を書いていますので、より作業の進捗状況がわかるかと思います。
こうした毎日のコミュニケーションを怠らず、施工内容の透明化を図ることが、信頼へつながると考えています。
工事完了後に工事写真
データをお渡し
弊社では、すべての工事が完了後、工事写真データをお客様にお渡しします。
塗装をしたら綺麗に見えるのは当然のことです。
しかし、その綺麗になるまでの作業工程で、手抜きがあればその綺麗な状態はきっと数年しか持たないでしょう。
お客様の立場になったとき、「手抜き工事をされていたらどうしよう」と不安になる気持ちは当然あるかと思います。
そういった不安を解消するために、工程ごとに撮影した写真を整理して、それをお客様にお渡しすることで安心していただければと思っています。