調子の良い話は 鵜呑みにしないでください。
2015.02.14
ホームページからお問い合わせ頂いた K様邸の外部塗装の見積りに伺った時の事です。
外壁の現状は「石目調の吹付け」で 一見 巣穴がよく目立ち パターンも疎らで 粗雑感を感じました。
まもなくインターホンを鳴らして お施主様とご挨拶の後、さっそく中に入って案内してもらった壁の状態は、
日当たりが良く 雨風もよく当たる部分の塗膜が、ベロベロに剥離していました。
石目調吹付け前の躯体の状態は「かき落とし」の壁でした。
お施主様の話によると、10年程前に「30年持ちます ! 」と言われて 大金を出して施工されたらしいです。
ところが 1年も経たないうちに何処かがめくれだして、1度は業者が手直しに来たのですが、その後の対応は 電話も通じず、何とか連絡がとれた時には既に 倒産していたそうです。
なので仕方なしに他の業者に部分補修してもらったのが 写真の両上部当たりだそうです。
ここで、一番問題なのは・・・「30年持ちます!」と言っておきながら「倒産」と言う無責任な事態になるところです。
一旦 倒産して 別会社を作っている可能性もあります。
私なら 内心では30年位持つだろうと思ったとしても、何が起こるか判らない中、とても言える年数ではありません。
( ちなみに 私の自宅は30年以上前に 安物の塗装をしてから 塗り替えしていませんが、 今のところ特に問題はありません。)
次に問題なのは、「かき落としの壁」に 本来なら重たい「石目調吹き付けタイル? スタッコ? 」を施工したことです。
それを・・・皮肉にも、通常塗膜より薄く・・・。
これなら本来なら重たい石目調吹付けも 軽く済みます。
しかしながら ギッシリ詰まるはずの 石目間 に隙間が空いてしまいます。
加えて、クリヤー仕上げをローラーにて2回程しっかりと被覆しない事には 石目と旧塗膜の間に雨が浸透して、挙句の果てには剥離に繋がります。
現状では クリヤー仕上げをした形跡も無い程 劣化していました。
かき落としのような表面が脆い壁面の場合、通常2液性エポキシシーラー等でしっかりと下地を固めた上に 目止めの下塗りをして、それから各種仕上げ塗装の工程に入るのですが、そう言った 適正な下地処理を施した上での仕上げ塗装ではありませんでした。
要するに 見掛け倒しの手抜き工事だった事が伺えます。
世の中、調子の良い話が いろんな方面で氾濫しています。
なので 調子の良い話は 鵜呑みにしないでください。
K様から 改修塗装のご依頼をいただきました。
しっかりと「施工ガイド」に載せたい物件だと思っています。